今から、18年前の2月20日、
有限会社インディアンカヌークラフトは、生まれた。
代表取締役に松原 秀尚が選出された、と議事録には書かれている。
社員のいない役員だけの会社。というより、社員だけの会社か。
にもかかわらず、志は高い。
26歳の若造は、コーポレートアイデンティティ=C I を意識し、
社名=ブランド名
ロゴマーク=ロゴデザイン
企業スローガン=キャッチコピー
…よくもまあ、そんなモンをちゃんと考えた、のである。
「先人が培った知恵を使い、自然素材でカヌーを作り、
カヌーそのものの魅力、そして、使う魅力を伝える。」
…それがすべてだった。
木のカヌーが、自然の中で、大事なことを語りかけてくれる。
…大事なことは、木のカヌーが教えてくれる…。
25歳で北米をカヌー修行で横断し、
日本の木のカヌーの未来を
自分がすべて背負っている…、
そんな雰囲気が溢れていたように思う。
本当の若気の至りである…。
18年前当時、(今も相変わらずというのが信じられないが)
日本で、「カナディアン」カヌーと呼ばれるカヌーがある。
文字通り、カナダのカヌーである。
しかし、私が工法を学び、使う魅力を感じた
私のカヌーは、アメリカインディアンの流れをくむ
デザインのオープンデッキカヌーなのである。
それも、古い時代の木製のカヌーである。
現代のプラスティックカヌーと一緒にされては叶わない。
方や、ちりばめられた先人の知恵の結晶。
方や、大量生産の使い捨ての石油製品、
後生に残す、引き継ぐべきものを持ちえない魂のない脱け殻。
区別し易くするためにも、別な呼び方が必要だった。
私が伝承されたアメリカインディアンの木のカヌーは
どう転んでも、カナダのカヌーとは、呼べない。
当てはまるのは、「インディアンカヌー」。
アメリカでもカナダでも、古いタイプの木のカヌーを直ぐにイメージしてもらえていた。
そして、自分が身を置く、木工の世界、「工芸=クラフト」。
それは、実用品に芸術的な意匠を施し、
機能性と美術品的な美しさを融合させた手工芸品である。
そして、C I が完成する。
平成元年、「 Indian Canoe Craft 」 は、産声を上げる。
ロゴブックを数冊買い込み、コピーと修正、
切り貼りをくり返して出来た、手作りロゴデザインである。
コンセプトは、「本物志向」。常に前向きな、「こだわり」。
……26歳の松原は、走り始めた。
……日本で木製カヌーの歴史を作るのだ!という想いを胸に秘めて…。
そして、月日は流れ、
平成19年、夏、いよいよ、
インディアンカヌークラフト・ ウェブサイトが、漸く、窓を開く。
日月社の山本さんが、アウトライダーのサイト同様、デザインを手がけてくれる。
平成元年、木製カヌーを作り始めた松原は、
現在、アリューシャンカヤック・バイダルカを手がけ、犬ぞりを作る。
そして、パドルを削りだし、スノーシューズを作る。
モンゴルのゲルやアメリカインディアンのティピーを自作し、北海道仕様に加工する。
40フィートのバイキング船のレプリカを作ったこともあった。
さらに、アウトライダーとして、自ら、カヌー・カヤックを操り、犬ぞりを駆る。
設立から19年目、
………松原は、
インディアンカヌークラフトの枠を大きくはみ出してきている……。
松原の志向は、
北方圏の先住民の文化を次々再現し、先人の知恵を学ぶこと。
さしあたり、
「 北方先住民文化研究所 」 。
屋号をそろそろ、変えようか……な。(笑)
自らの役目を、しっかり見据え、果たさなければならない。
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